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厚生年金
Welfare annuity


年金支給開始年齢は段階的に遅くなる
平均寿命の計算式は?

自分の年金額はどれくらい貰えるのか?

再就職すると年金はどうなるの?

年金制度が変る?
遺族年金  寡婦年金
老後の生活プラン
離婚時の年金分割
年金保険料のUP

 

公的年金制度

■人生50年は第二次世界大戦頃
 年金問題が騒がれていますが、高度成長時代を支えてきた団塊の世代が定年を迎えて、財源が無くなってきたためです。日本の年金制度の歴史は浅いのです。日本の公的年金制度は第二次世界大戦前の軍人の恩給制度に端を発します。戦前から船員保険はありました。戦争中の1942年に厚生年金保険ができました。団塊の世代のTopが生まれた1947年の平均寿命は男50歳、女54歳です。信じられますか?(注:ちなみに江戸時代は30歳台、大正時代末期で男42歳、女43歳でした。人生50年と言われたのは、やっと第二次世界大戦前後なのです)
■1961年国民皆年金制度発足
 1948年、国家公務員の年金(共済)が始まりました。1950年、戦後5年の平均寿命は男59.6歳、女67.7歳です。1947年からの3年間で男9.5歳、女13.8歳、すごい伸びですね。平均寿命の計算式は?→下記参照。1955年、戦後10年経ったときの平均寿命は男63.9歳、女68.4歳です。1959年に国民年金が始まり、1961年国民皆年金となり、国民全員が年金保険料を払う時代となったのです。翌1962年に地方公務員共済開始、1965年=戦後20年の平均寿命は男67.7歳、女72.9歳、1975年=戦後30年の平均寿命は男71.8歳、女76.9歳、オイルショックで景気が悪くなり、年金財政は苦しくなってきます。
■1986年基礎年金制度導入
 1985年=戦後40年の平均寿命は男74.8歳、女80.5歳、伸びる寿命で年金支給対象者は増える一方、このままでは日本の年金制度は崩壊するということで、1986年基礎年金が導入されました。1995年=戦後50年の平均寿命は男76.4歳、女82.8歳、2005年=戦後60年の平均寿命は男78.5歳、女85.5歳、2009年の平均寿命が男79.59歳で世界5位、女:86.44歳で世界一、やっと寿命の伸びが止まり、年金制度や後期高齢者医療制度などによって、今後の寿命は低下してくると予測されています。
■2011年は節目の年〜団塊の世代Topが年金フル支給に
 このように見てきますと、国民皆年金となった1961年と、基礎年金が導入された1986年が大きな節目です。2011年は国民皆年金となった1961年から半世紀、基礎年金が導入された1986年から四半世紀の節目の年に当たります。団塊の世代のTopが64歳、Lastが62歳です。この人たちが塊となって老人化していくこれからが、日本の年金制度の正念場です。下表(段階的に遅くなる年金支給)をご覧ください。団塊の世代のTopが64歳になって2011年から老齢厚生年金に加えて老齢基礎年金の支給が始まり、年金がフル支給になります。団塊の世代のLastの人達から老齢基礎年金の支給は65歳になります。
■2013年問題〜2021年問題
 さらに2013年に還暦を迎える男性(1953年4月2日生まれ以降)は60歳では年金が出ず、61歳からやっと老齢厚生年金が出て、65歳から老齢基礎年金が出ます。これは『2013年問題』と言われ、この年で定年になった人は、1年間どうやって収入の道を確保するか?が課題です。しかも住民税は前年の所得に対して課税されますから、これまでの日本企業や役所のように60歳で定年になって収入の道が断たれると、所得税はともかく、住民税を払いながら貯金を取り崩すしかなくなります。そして国民皆年金となった1961年4月2日以降生まれの男性からは、年金が65歳支給となります。還暦後5年間無収入という人達が2021年に60歳になるのです。もう、目の前です!
■やがて70歳〜?更に支給開始年齢繰り下げも・・・
 厚生労働省は2011年10月、60歳から65歳へと段階的に引き上げている厚生年金の支給開始年齢について、2030年度を想定している引き上げ完了時期を9年繰り上げて2021年度とする案を社会保障審議会年金部会に示しました。「3年に1歳ずつ」を「2年に1歳」へと速めることで、男女とも2021年度から65歳支給に完全移行する案です。また、支給開始年齢そのものを68〜70歳へと遅らせる案も提示し、68歳とした場合の引き上げスケジュールを公表しました。
 また60歳以上で働いている人の厚生年金をカットする「在職老齢年金制度」に関し、60〜64歳の減額基準を緩める案も示しました。賃金と年金の合計額が月28万円を超えると年金が減らされますが、この基準を65歳以上と同じ「46万円超」へと緩和する案と、60〜64歳の平均所得に合わせた「33万円超」とする2案です。
 ここから見えてくることは、高齢の人ほど優遇されている実態です。しかし現在の給付額をそのままにしたままでは、若い世代の理解を得るのは困難でしょう。
■激増する社会保障費・・・痛みを分かち合う政治の力を!
 日本の年金制度が崩壊するのでは?とか、正社員減少、パート/派遣社員の増加、失業や無職者増加で保険料の徴収率が50%を切っているとか、どうせ徴収できないのなら税金を年金財源に当てようとか、いやそれではまじめに保険料を払ってきた正直者が馬鹿を見る、と言った議論が沸騰しています。いずれにせよ今のままでは時々刻々と制度崩壊に向かっていますから、日本国政府は国民に現実を説明して「痛みを分かち合う」こと、具体的には年金受給者の給付の切り下げ、保険料の徴収ができる社会システム作り〜法改正、制度の変更、率のアップを早急に行わないと、将来世代につけ回しして、ますます政治不信に陥るのでは?と危惧します。日本の社会保障給付は年々激増しています。その7割を占めるのは介護、年金、高齢者医療の給付です。2025年度の給付総額は141兆円と2010年度より4割増えるのに、支える現役世代は減ります。消費税を15%に引き上げても社会保障の持続は困難とされています。2000年度に介護保険が導入されたとき、30.1兆円だった医療費は、2010年度には36.6兆円で、前年度より1兆4000億円も増加。また70歳以上の高齢者の医療費は16.2兆円です。介護費も3.6兆円から8兆円以上に膨らんで、政府の目論見は大きく外れました。高齢者に不利な政策を訴えたら選挙に負けるという社会が定着している現状を打破するには、国民に刃を突き付ける凄みを持った剛腕の政治家が求められます。
■1986年2階建て年金へ
 これまでの日本の年金制度は、民間サラリーマンを対象とする厚生年金保険、公務員などを対象とする数種の共済組合、自営業者などを対象とする国民年金というように分立していました。しかし、1985(昭和60)年の改正により全国民共通の基礎年金が導入され、厚生年金や共済組合は、その上乗せとして報酬比例の年金を支給する制度に再編成されました。老齢基礎年金の上に老齢厚生年金が乗る形なので2階建てと言われる所以です。

■年金支給の繰り上げ、繰り下げによって支給額が変わる
 自営業者等の「
第1号被保険者」は国民年金に加入が義務付けられ、20〜59歳の間保険料を払い込まなければなりません。老齢基礎年金が支給されるのは65歳からであり、それより前から支給して欲しい場合は減額されますが申請すれば可能です(減額された年金の繰上げ支給…早いほど減額される)。他に収入の術が無い人はそれも選択肢です。逆に66歳から70歳のどこかまで支給しなくて良いよと申請すれば増額されます(増額された年金の繰下げ支給…遅いほど増額される)。当面食うに困らぬお金があって、長生きに自信のある人は、健康年齢を過ぎた後になるべく多い年金をもらおうと考えるならそれも良いかもしれません。年金支給の繰り上げ、繰り下げについては・・・>下記参照

■厚生年金第2号と第3号
 我々サラリーマンやOLは、「
第2号被保険者」という名称で、70歳未満で正規雇用されている限り厚生年金保険料を払い続けます。第2号被保険者の被扶養配偶者は「第3号被保険者」と呼ばれ、20〜59歳の間、つれあいが第2号被保険者である限り自分自身で保険料を払わなくても良いのですが、つれあいが第2号被保険者でなくなって自分が60歳未満なら60歳になるまで国民年金に加入して保険料を払わなければなりません。夫が定年退職した専業主婦が、手続きを忘れていて年金加入期間が少なくなった、ということが問題になっています。救済云々が言われていますが、お金をもらうのですからウッカリとかいうのは論外です。社会保険事務所(現在は年金事務所)が教えてくれなかった?甘えるな!ということですね。また2007年4月以降は離婚によって第3号被保険者が厚生年金の分割を受けられるようになります。

詳しくは日本年金機構の年金制度のホームページを参照下さい http://www.nenkin.go.jp/
注)日本年金機構は、社会保険庁の廃止に伴い、2010年1月1日に発足しました。社会保険事務所は年金事務所と名称が変わり、社会保険業務センターは廃止されました。これに伴って様々なサービスが縮小されています。日本年金機構のホームページを参照して調べる能力のある人は良いとして、ない人にはキツイ状況ですネ。

特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分) 老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金(定額部分) 経過的加算額
老齢基礎年金

60〜64歳

65歳以上

[2018年度までの年金構造]

経過的加算額とは? 65歳以降の老齢厚生年金は、老齢基礎年金に上乗せする形で、報酬比例部分が支給されます。それまでの定額部分が老齢基礎年金に、報酬比例部分が老齢厚生年金に相当します。しかし、当分の間は老齢基礎年金の額より定額部分の額のほうが多いため、65歳以降の老齢厚生年金には定額部分から老齢基礎年金を引いた額が加算されます。これを経過的加算といい、65歳以降も60歳からの年金額が保障されることになります。

   平均寿命の計算式は?

 “平均寿命”は「今、生まれたばかりの子供が、何も無ければここまで生きられるであろうと予測された年月のこと」です。ですから、私達大人の“平均寿命”はもっともっと短いのです。これは、乳幼児期の死亡率や感染症や戦争、大きな震災等により多数の尊い生命が奪われると途端に短くなります。アフリカやアマゾン等の原住民のように、環境衛生が極端に悪いところでは「10人の子供が生まれても成人まで生きていけるのは約2割」と言われています。そのほとんどが乳幼児期に感染症等で亡くなってしてしまうそうですが、例えば、その生き残った2人が、1人は40歳まで生き、もう1人は80歳まで生きたとしましょう。残りの8人は平均して5歳としておきます。すると、この人達の“平均寿命”は
   合計年齢÷人数で計算出来ますので、(40歳+80歳+5歳×8人)÷10人=160歳÷10人で16歳
となります。この数字は日本の“江戸時代”(約30歳代と言われている)よりも低くなってしまいます。また、例えば、10人生まれたうちの1人が15歳、1人が25歳、6人が50歳、2人が60歳まで生きたところでは、合計年齢(=15歳+25歳+60歳×6人+70歳×2人)÷10人=540歳÷10人=54歳の“平均寿命”となります。


   年金支給開始年齢は段階的に遅くなる 

 さて今話題の厚生年金支給開始年齢の引き下げ問題に触れましょう。老齢基礎年金も老齢厚生年金も65歳から支給されます。昔は年金と言えば60歳から支給されるものだという概念がありました。1994年に65歳から支給することに向けて、60〜64歳の間は特別支給という扱いにして、老齢基礎年金に該当する部分を特別支給の老齢厚生年金(定額部分)、老齢厚生年金に該当する部分を特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)という形に改訂しました。その結果2000年度までは60歳から年金が支給されますが、2001年度以降3年ごとに1歳ずつ特別支給の老齢厚生年金(定額部分)の支給開始年齢が引き上げられることになりました。この結果男で2013年度、女で2018年度をもって上図の特別支給の老齢厚生年金(定額部分)は無くなります。

 また2000年の改訂によって特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)も2014年度から3年ごとに1歳ずつ支給開始年齢が引き上げられることになりました。この結果男で2025年度、女で2030年度をもって上図の特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)は無くなり、完全に65歳からの老齢基礎年金老齢厚生年金になります。

 具体的には下図を見ればわかりますが、昭和16年4月1日以前に生まれた男性と昭和21年4月1日以前に生まれた女性は60歳になると年金が支給されました。それ以降の人は老齢基礎年金に相当する「定額部分」の支給開始年齢が3年ごとに1年づつ先延ばしになります。団塊の世代の最後:昭和24年4月2日以降に生まれた男性と昭和29年4月2日以降に生まれた女性は60歳から老齢厚生年金に相当する「報酬比例部分」は支給されますが、「定額部分」は無く、65歳から老齢基礎年金が支給されます。そして昭和28年4月2日以降に生まれた男性と昭和33年4月2日以降に生まれた女性は「報酬比例部分」の支給開始も61歳からとなり、以降3年ごとに1年づつ先延ばしになります。そして昭和36年4月2日以降に生まれた男性と昭和41年4月2日以降に生まれた女性はついに老齢基礎年金老齢厚生年金65歳からの支給になります。男で2026年、女で2031年です。


表:段階的に遅くなる年金支給
男性出生日 女性出生日 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳〜
〜昭和16年4月1日 〜昭和21年4月1日 報酬比例部分 老齢厚生年金
定額部分 老齢基礎年金
昭和16年4月2日
〜昭和18年4月1日
昭和21年4月2日
〜昭和23年4月1日
報酬比例部分 老齢厚生年金

×

定額部分 老齢基礎年金
昭和18年4月2日
〜昭和20年4月1日
昭和23年4月2日
〜昭和25年4月1日
報酬比例部分 老齢厚生年金

×

×

定額部分 老齢基礎年金
昭和20年4月2日
〜昭和22年4月1日
昭和25年4月2日
〜昭和27年4月1日
報酬比例部分 老齢厚生年金

×

×

×

定額部分 老齢基礎年金
昭和22年4月2日
〜昭和24年4月1日
昭和27年4月2日
〜昭和29年4月1日
報酬比例部分 老齢厚生年金

×

×

×

×

定額部分 老齢基礎年金
昭和24年4月2日
〜昭和28年4月1日
昭和29年4月2日
〜昭和33年4月1日
報酬比例部分 老齢厚生年金

×

×

×

×

×

老齢基礎年金
昭和28年4月2日
〜昭和30年4月1日
昭和33年4月2日
〜昭和35年4月1日

×

報酬比例部分 老齢厚生年金

×

×

×

×

×

老齢基礎年金
昭和30年4月2日
〜昭和32年4月1日
昭和35年4月2日
〜昭和37年4月1日

×

×

報酬比例部分 老齢厚生年金

×

×

×

×

×

老齢基礎年金
昭和32年4月2日
〜昭和34年4月1日
昭和37年4月2日
〜昭和39年4月1日

×

×

×

報酬比例部分 老齢厚生年金

×

×

×

×

×

老齢基礎年金
昭和34年4月2日
〜昭和36年4月1日
昭和39年4月2日
〜昭和41年4月1日

×

×

×

×

報酬比例部分 老齢厚生年金

×

×

×

×

×

老齢基礎年金
昭和36年4月2日〜 昭和41年4月2日〜

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×

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老齢厚生年金

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×

×

×

×

老齢基礎年金

   自分の年金額はどれくらい貰えるのか?

   自分の年金額がどのくらいになるか知りたい場合はどうすれば良いでしょうか?

 いろいろな方法がありますが、日本年金機構のホームページの「年金見込み額試算」というボタンを押して見るのがよろしいでしょう。4種類の方法が載っております。60歳未満の人は、簡易試算ならホームページ上で可能です。

 また、年金事務所(旧社会保険事務所)で、50歳以上の人に関する「年金額(見込)」を無料で試算してくれます。手続に際しては、本人が「年金手帳」及び「印鑑」を持参します。「委任状」があれば、代理人でも可能です。また、年金額の試算は、どの年金事務所でも可能です。試算は、コンピュータの動いている時間に限られます。月曜日から金曜日の朝9時15分から夕方の4時30分までの間です。なお、事前にお近くの年金事務所に電話で確認してから、お出かけになることをお勧めします。

 50歳以上の方は個人記録に基づいた年金見込額試算の申込ができます。 これは日本年金機構が管理している業務記録に基き、上記下線部のどこでもクリックしますと申込画面が開きます。結果は郵送で届きます。申込が多数となっている時には、回答が届くまで1ヶ月程度を要する場合もあるそうです。

65歳未満の老齢厚生年金額

特別支給の老齢厚生年金=[定額部分]+[報酬比例部分]+[加給年金額]  詳細は日本年金機構のホームページ参照

注)加給年金厚生年金保険の被保険者期間が20年以上または40歳(女性の場合は35歳)以降15年ある方が、定額部分支給開始年齢に達した時点で、その方に生計を維持されている配偶者や18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子がいる場合に支給されます。


65歳以上の老齢厚生年金額

老齢基礎年金と老齢厚生年金([報酬比例部分]+[加給年金額]
老齢基礎年金は加入年数40年ずっと保険料を納め続けた人が満額792,100円(年額)です。老齢厚生年金の報酬比例部分は60歳〜64歳の報酬比例部分と同じで加給年金額も同じです。

 


   再就職すると年金はどうなるのか?

 定年後の生きる糧として公的年金は重要な関心があると思います。

   60歳で定年退職後正社員として再就職すると厚生年金に加入することになり、在職中は年金が一律2割カットされ、以降賃金収入が多いほど年金が減らされ、一定額以上の収入があると年金支給が差し止められるのが以前の制度でしたが、上述のように60歳を超えても働かざるを得ない時代になりましたのでこれらの仕組みは変更になりました。また更に前には標準報酬月額をもとにして在職老齢年金を計算していましたので、企業によっては月例給与を抑えて賞与に回すというやり方で年金受給を増やそうとするところがありました。そこで直近1年間の賞与を加えた総報酬月額相当額をベースにすることとなり、こうしたテクニックは通用しなくなりました。

 70歳未満の方が会社に再就職し、厚生年金保険に加入すると、老齢厚生年金は、月例給と賞与によって決められる総報酬月額相当額と1ヶ月当たりの年金額の合計収入に応じて計算され、年金が支給されます。計算結果の年金支給月額がマイナスになる場合は年金は支給停止となり、加給年金額も支給停止となります。

65歳未満の在職老齢年金

加給年金額を除いた特別支給の老齢厚生年金月額(基本月額と言う)総報酬月額相当額の合計額が28万円以下の場合は全額支給、28万円超ならば総報酬月額相当額が48万円超か以下か、さらに基本月額が28万円超か以下かによって4通りの計算方法があります。  詳細は日本年金機構のホームページ参照

 

 60歳〜64歳の方を雇用する場合、雇用保険の高年齢雇用継続給付と厚生年金の在職老齢年金という制度を上手に活用して高齢者の給与金額を決めることにより会社の経費負担(人件費・社会保険料など)を大幅に減少させることができ、しかも高齢者の収入(手取り額)が大幅に減少しないようにすることが可能です。高年齢雇用継続給付金は60歳〜64歳までの雇用保険の被保険者(被保険者期間が5年以上必要)で、60歳以降の給与が60歳到達時(60歳になる直前6ヶ月の給与の平均)の給与の75%未満に低下した場合に支給されます。この制度を活用して、高齢者をおおいに雇おうとする企業が増えれば働く場が多くなると思われます。

 

65歳から70歳までの在職老齢年金

加給年金額を除いた特別支給の老齢厚生年金月額(基本月額と言う)総報酬月額相当額の合計額が48万円以下の場合は全額支給、48万円超ならば

 年金支給月額=基本月額−(基本月額総報酬月額相当額48万円)÷2

詳細は日本年金機構のホームページ参照

 

ただし、正社員でなく、パートタイマーや契約社員で、厚生年金の加入適用対象外の人(正規雇用社員の3/4未満の労働時間の人)は年金の減額はありません

60歳以上の方がどういう形で働くのが良いのか、働く意欲と生活に必要な収入と様々な角度から考えるべきでしょう。相談に応じます。


  年金制度が変る

 厚生労働省は「労働時間が週20時間以上」の人を厚生年金に加入させる案を提案しています。現状では「税金」のページの『パートタイマーやフリーターが扶養控除を受けるためには?』の項にあるように、年収130万円以上になれば年金と健康保険の保険料を払わなければなりませんが、制度が改正されると保険料負担者が急増すると考えられます。たとえば時給700円で1日5時間、週25時間、月間100時間働いているパートタイマーの方は、月収7万円(年収84万円)ですが、ひと月約6,600円の厚生年金保険料のほか、健康保険、雇用保険を払わなければならなくなります。現在は正規雇用者の労働時間の3/4未満である短時間(パート)労働者は厚生年金の対象になりません。厚生労働省はここにメスを入れたいわけですが、厚生年金適用拡大が短期的には短時間労働者や雇用する側の企業の負担増大になることから法律の中に検討規定を設けるにとどまっています。

 また現在は第3号被保険者という制度があって働く旦那の奥さんが専業主婦だった場合、年金保険料を払わなくても良いという制度です。以前は専業主婦も保険料を払うか払わないかは任意でした。すなわち将来年金を貰おうと思ったら払い続けたのです。その後ある時点から専業主婦も家事をこなしながら夫を助けて働いているという考え方から保険料を払わなくても将来年金を受給できるという制度に変わりました。子供を育てるために家事をこなす専業主婦の役割を重視するという面から意義がありました。ところが今や働いていない婦人のほうが珍しい社会に変わりました。そこでまた取れる人からは取ろうという方向に考え方が変わってきています。

 フリーターが増えて厚生年金のように源泉徴収でないため、国民年金保険料を払わない人が増えてきました。2003年度で納付率が63.4%という厳しい状況で、1996年度は82.9%でしたから釣瓶落しの状況です。特に20歳台では50%を割り込んでおり、これを回復させるのが緊急の課題です。それならば保険制度ではなく税金から年金を払うようにしようとか、いや誰でも払わざるを得ない消費税を目的税方式にするのが良いとか、所得比例の所得税方式が良いとか、スウェーデン方式の保険制度がベストとか大議論が巻き起こりました。厚生年金基金制度が崩壊の危機にあり、企業の代行返上が続出、また厚生年金の保険料率が上がることから、財界からは厚生年金制度そのものの見直し論が巻き起こっています。ただ懸念されるのは、免除制度や納付猶予制度を導入するなどの仕組みを作っていることで、見かけの納付率は上がるでしょうが、やはり本来の道を突き進みたいところです。

 公的年金に明日は無いから民間の個人年金保険にしようとの考え方があります。しかし公的年金が将来も存続する前提ですが、支払った保険料総額に対する支払われる年金額の面から見ますと国民年金のほうが絶対的に有利です。これは保険料の3分の1を国が負担しているからです。2004年から国庫負担を2分の1にすべく着手し、2009年には完了しますから、ますます国民年金の有利性が増します。国の負担ということはすなわち税金から払われているということです。したがって年金保険料を払わない人は税金の戻りを放棄していることになりますね?加えて公的年金には本人が障害者になったときの障害年金や、配偶者(主に夫)が死亡したときの遺族年金などがあります。したがって若者には公的年金の保険料を払うように説得、指導したほうが良いことになります。にもかかわらず、廃業届を出して厚生年金を払わず営業を続けるような企業があるのですから、情けなくなりますね。

遺族基礎年金
 国民年金に加入中の方が亡くなった時、その方によって生計を維持されていた「18歳到達年度の末日までにある子(障害者は20歳未満)のいる妻」又は「子」に遺族基礎年金が支給されます。
※ 平成22年度年金額 1,020,000円(子が1人の妻の場合)
遺族厚生年金
 厚生年金に加入中の方が亡くなった時(加入中の傷病がもとで初診日から5年以内に亡くなった時)、その方によって生計を維持されていた遺族(@配偶者または子、A父母、B孫、C祖父母の中で優先順位の高い方)に遺族厚生年金が支給されます。ただし、支給対象者自身が年金受給者の場合、ダブル受給はできません。
  詳細は日本年金機構のホームページ参照

寡婦年金
 第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が25年以上ある夫が亡くなった時に、10年以上継続して婚姻関係にあり、生計を維持されていた妻に対して60歳から65歳になるまでの間支給されます。
※ 年金額は、夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3
※ 亡くなった夫が、障害基礎年金の受給権者であった場合、老齢基礎年金を受けたことがある場合は支給されません。
※ 妻が繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けている場合は支給されません。
  詳細は日本年金機構のホームページ参照


  老後の生活プラン

 定年退職後の生活に不安を感じる最も大きな原因は定年後の収入です。国民の貯蓄金額を平均すると1722万円ですが、高齢者世帯では2433万円になるそうです(2006年の総務省家計調査)。なるほど貯蓄を取り崩しても生活が成り立つはずですね。少子高齢化が進み、団塊の世代が定年を迎えた今、世の中は若者すら雇用不安の時代、まだまだ体力があると言っても仕事が無い退職者たちにとっては公的年金の他には貯蓄を取り崩して生活している現状のようです。場合によっては繰り上げ支給を選択している人もいるでしょう。これから定年を迎える世代の老後は、公的年金だけでは老後の生活がおぼつかない可能性があります。将来収入源の割合は変わるとしても、定年後の収入源としてどんなものが考えられるのか?2004年の「60歳以上世帯の生活資金源」調査では
 公的年金72.9%、就労収入41.9%、貯蓄の取崩し23.0%、個人年金など19.5%、不動産収入6.2%、子供からの援助6.2%、利子配当1.9%、公的援助1.2%
でした。当時65歳だった方はもう70歳を越えています。その当時は雇用情勢も今ほど悪くなかったので、4割以上の方が働いていました。それでも7割以上の方は年金を受給していたわけです。年金暮らしの方は将来不安のため、お金をむやみに使わなくなってきました。現在後期高齢者以上の方たちが定年を迎えた頃は、海外旅行に行くなど、豊かな老後を楽しんでいました。老後も様変わりしてきたと言えるでしょう。

 働いて収入があったり、金融資産の多い人は、年金支給開始年齢を繰り下げることで、老齢基礎年金(国民年金)の支給額を増やせます。ただ、繰り下げたことでその間は年金支給がありません。人間の一生を考えた場合果たして繰り下げはお得なのでしょうか。右のグラフは、老齢基礎年金の支給額を累計したものです。標準の支給開始年齢65歳の累計支給額を上回るのは66歳支給開始で78歳、67歳で79歳、68歳で80歳、69歳で81歳、70歳支給開始だと82歳になってしまいます。年金支給開始を繰り下げると年金が増額されるのは良いですが、年金支給開始までの空白期間の収入をどう確保するのか、また思わぬ病気を患ってしまった場合はどうすればいいのかなど不安なこともあります。2009年の平均寿命が、女:86.44歳で世界一、男79.59歳で世界5位、今後高齢者への年金や医療政策によって寿命が短縮されて行きますから、少なくとも男は支給開始を繰り下げる意味はなさそうです。
そこで次の方法はどうでしょうか

奥様分の年金だけを繰り下げる
 ご主人の年金は標準の65歳で受給を始め、奥様の年金分だけを繰り下げ受給するのです。ご主人の年金だけでは不足する分は定年後も働き続けるなり、個人年金や自分年金(貯蓄の取り崩し)を使うのです。この方法が良いのは、女性の方が寿命が長いので長く年金を受け取れる可能性が高く、生涯年金受給額が高くなることです。
体調が崩れたら受給開始する
 65歳の時受給の繰り下げを選んでも、66歳を過ぎれば月単位で受給を開始できます。もし体調を崩して、ご主人の年金収入だけでは生活が苦しいようなら無理せず受給を開始すればいいでしょう。


  離婚時の年金分割

年金の離婚分割請求 半年で4000件超という記事がありました。

2008年4月より離婚による年金分割が可能となりました。「離婚した夫婦の公的年金が最大5割分割される」制度として施行前から注目されていた制度です。4000件ときくとさすがに「多い」という印象を受けますが、記事によると前年10月からの相談(来訪)数は4万6000件を超えていますから、それに比較すると実際の請求件数は10%にも満たないことになります。
「最大5割の分割」という表現が一人歩きし、誤解されているケースが多いことにも理由があるようです。

まず、分割される年金は「公的年金」の中の「厚生年金」であること。つまり対象者は第2号被保険者(サラリーマン等)となります。自営業者等第1号被保険者は今回のこの制度からは影響を受けません。

次に「最大5割」の誤解についてです(ここでは多くのケースである第2号被保険者が「夫」、第3号被保険者が専業主婦である「妻」と仮定します)。分割対象は「婚姻期間」の「厚生年金のうち、報酬比例部分」の最大5割を話し合いの上分割、となっています。

一般的な例で、例えば月額17万円の老齢年金を受け取る予定の夫がいた場合、離婚後分割すれば「最大5割」で最大8万5000円を受け取れると勘違いされることがあります。
老後の公的年金は厚生年金加入者の場合、基礎年金+報酬比例部分(現役時代の給料、つまり支払った保険料に応じて決まる部分)で成り立っており、今回の分割対象は報酬比例部分となります。基礎年金の月額金額を、最高の6万6000円とすると残りの10万4000円が報酬比例部分です。ですが、必ずしもこの金額がすべて分割対象になるとは限りません。「婚姻期間」に相当する部分が対象となりますので、就職と同時に結婚したのでない限りその金額より少なくなります。その上最大5割、ただし話し合いによってその割合は決まる、というものなので、上記例に基づけば妻の受け取り金額は多くても3〜4万円となる可能性が高いわけです。

もちろん第3号被保険者は自分自身の基礎年金があるため、離婚後の老後の公的年金総額が月額3〜4万円というわけではありません。基礎年金が満額あれば9万6000円〜10万6000円となります。ただ注意が必要なのは、分割分も含め、年金受給資格は加入年数25年以上となっていますので、第3号被保険者期間+それ以前、以後の第1号被保険者期間および第2号被保険者期間の合計が25年未満の場合は基礎年金を含め、公的年金を受け取る資格はないことになります。もちろん60歳前に離婚する場合は、国民の義務としてこれまで第3号被保険者には免除されている保険料納付義務が発生します。

以上のように、年金の離婚時分割請求ができるようになったとはいえ、対象者も金額も限定的かつ様々な制限があることを知って、制度ができたからと気が大きくなり過ぎないようにご注意ください。老後は夫婦で年金を受給できれば、合わせて良い暮らしができるでしょう。ひとり暮らしは淋しいはず、くれぐれもご自愛ください。

   年金保険料のUP       

厚生年金の保険料が2004年10月分から上がります。納付期限11月のため、11月の給料分から毎年0.354%ずつ引き上げられ、2017年9月以降は18.3%に固定されます。従来13.58%→2004年10月分から13.934%、6.967%を雇用主と従業員被保険者で折半する形です。2005年以降は10月分給与から上がります。2005年14.288%、2006年14.642%、2007年14.996%、2008年15.350%、2009年15.704%、2010年16.058%、2011年16.412%、2012年16.766%、2013年17.120%、2014年17.474%、2015年17.828%、2016年18.182%、2017年18.3%

(2011年10月12日現在)


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