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ユビキタス環境制御システム

Let's study Ubiquitous Environment Control System


 2010年に幕張メッセで開かれた「アグリビジネス創出フェア」の「生産技術」コーナー『ユビキタス環境制御システム研究会』ブースにユビキタス対応スーパーミニを展示しました。
 農林水産省は、植物工場の環境制御システムに、いつでもどこでもコンピューティングの「ユビキタス環境制御システム」を普及させる方針です。弊社はこれに応えたシステムの供給を目指しております。環境制御システムについては過去長きにわたり日本植物工場学会において標準化を推進してきました。民間企業の参加も多かったのですが、長く続いたデフレ環境下、農産物価格が低価格に留まる一方、エネルギー価格高騰、設備の根幹となる金属や被覆材用化成品材料価格の高騰で、施設園芸業界は資材コスト高と経費高、産品安の狭間で苦しみ、安価な設備へと傾注せざるを得ず、後継者も育たない状況が生まれました。農業者は高齢化し、設備メーカーは撤退する企業が相次ぎました。今や環境制御システム分野には大手企業は残っておりません。この辺りについてはコチラをご覧下さい。
 一方、2007年に日本生物環境調節学会と日本植物工場学会が合併して日本生物環境工学会が発足し、村瀬冶比古会長(大阪府立大学教授、2010年まで4年間会長在任)が就任してから、農工連携の形になって、農水省以外に経済産業省も乗り出して植物工場ブームが起きました。折からの若者の就職難も相まって、若者の就農が進み、企業も再び植物工場に着目するようになりました。「ユビキタス環境制御システム」の出番到来です。


の伝統あるスーパーミニがUECS対応に

UECS用のマイコンボード
スーパーミニNT,EX
Ethernet経由 −−−> インターネット
ノートPC スマートフォン 携帯端末

出先からも現場監視、設定変更が可能となります。UECSのノード管理はWebブラウザーだけで完結し、特殊なソフトウェアが不要なので、スマートフォン、PDA、携帯用ゲーム機などの小型安価な携帯情報端末で、温室の管理ができるようになることを意味します。これが「ユビキタス」と言う、ゆえんです。



 とは?

ユビキタス環境制御システム研究会(UECS研究会)のホームページにリンクして、図を転載しております








   施設園芸や植物工場における計装の在り方  

 「従来の制御システム」と「UECS(ウエックス)」の違いは、制御システムの構成法です。フィールド情報は「センサ」で測定し、「コントローラ」で制御演算し、「アクチュエータ」で操作して適切な状態へと矯正されます。「アクチュエータ」というカタカナ言葉は日本では余り汎用的ではありません。「操作器」というように言いますが、コントローラの手足となって動かす機器、具体的にはモータやバルブ(弁)、ヒータ、冷凍機などを指します。植物工場で言えば、天窓開閉、暖房機、カーテン、循環扇、排気ファン、ポンプ、電磁弁などです。
 このような制御システムの詳細を知りたい方は、技術情報の「温度制御について勉強しよう」というページをご覧下さい。

規模に対応して最適な計装を選ぶ
 
コンパクトなシステム、すなわち施設園芸などの温室環境制御では「従来の制御システム」がコストパフォーマンスの面から適していました。こういうところに「UECS」を適用しようとすると、コスト高になります。「コントローラ」のみならず、「センサ」も「アクチュエータ」もノードとしてCPUとネットワーク・インタフェースを搭載するからです。
 この問題はすでに工業界や空調業界では1980年頃から試行錯誤され、1995年頃から「UECS」のようなシステムが普及しました。ただ、現在でもこれら業界では「制御盤計装」が一定の地位を占めております。その理由はコストパフォーマンスです。計装システムの世界では、常にお客様の求めに応じて最適なシステムを提供すべきで、要求の第一はコストにあるのです。大きなトレンドとしては「制御盤計装」→「PLC*1計装」→「自律分散®計装」へと動いていますが、小規模なシステムでは「制御盤計装」が主流、これがが主として提供しているものです。またオランダやデンマークなど北欧メーカーが得意とする大規模温室の制御システムは「PLC計装」です。ただし、PLCはソフトウェアを必要としますので、日本製PLCに温室制御ソフトを組み込むよりは、PLCにのコントローラをぶら下げたほうが安くて安心、これが今植物工場で採られている方法です。

大規模システムに適応するUECS
 工業界や空調業界でも、究極のシステムは「自律分散®制御システム」です。ここでの制御理論は「カオス*2」的なものでしょう。植物工場のような広域で大規模なシステムでは、省配線でネットに繋がる「UECS」のようなシステムが今後求められます。企業体が経営する植物工場では、工業的発想が必要ですが、あくまで生き物が相手なので、ユビキタスが有用となります。ゴルフ場にいても海外旅行先でも、いつでもどこでも現場を監視できるユビキタス・コンピューティングと計装の融合です。これが発展すれば、日本は北欧メーカーに対抗して、計装システムで張り合えるようになります。

かねがね主張していたことがやっと現実的に
 「失われた20年」は日本の施設園芸業界にとっては大変厳しい時代でした。黒船の「PLC計装」に敗れた日本メーカーは次々にこの業界から撤退して行きました。こうしたことについては「ちょっと一息その1」をご覧下さい。また2001年に雑誌「アグリビジネス」に投稿した記事をその後ずいぶん経って弊社ホームページに転載しました。「黒船と日本人」---施設園芸に未来はあるか?---という表題ですが、今見返してみても、「UECS」のようなシステムの必要性を述べ、これから日本の逆襲・・・すなわち農業を輸出産業にして行こうという主張が、新鮮な響きを持って聞こえるはずです。逆に言えば10年たっても農業の世界の変革はそんなに進まない、ということで、ましてやTPPのような議論が現れるようでは、何をかいわんやというところです。

商品は長く継続することも大事だが、設備に応じて新型へ移行も
 のキャッチフレーズは『継続は力なり 継続は心なり』です。産業界の空気質改善と農業貢献で40年です。「四段変温サーモ」は20年以上続けましたが、21世紀となって販売をやめました。一方で「ウナサーモ」のような博物館モノのアナログ制御器をいまだに提供しております。やめるものと継続するもの、それはお客様のご要求にフィットするものを考え続けた挙句の結論でした。「四段サーモ」を相変わらず提供し続けているメーカーもあります。引き合い時は、そのメーカーを紹介しております。
 これからもは、現場に応じた最適なシステムを提供して参ります。

  ®「自律分散」は日立製作所の登録商標です。

*1「PLC」はProgrammable Logic Controllerの略。日本では「シーケンサ」という場合もあり→参照下さい。

*2「カオス」は日本語では「混沌」、カオス的現象とは、天気や地殻変動、経済や人口増加などの社会現象であり、人間活動で理詰めに行っても制御できないような世界です。カオス理論を制御に応用したのが、がDB1000という調節計の一部機種に搭載している「ザゼンソウ制御」アルゴリズムです。

左写真は「ウナサーモ」、もともと浜松出身の創業者が、ウナギの稚魚養殖用の池の水温をコントロールする目的で製品化したものです。制御レンジ(範囲)は0〜50℃
当時は、池の上に温室を建て、太陽熱を利用して、水温コントロールしていたそうです。水にサーミスタ・センサを入れ、設定温度より高いか低いかで接点出力がオン/オフします。この信号で、窓の開閉をして水温を制御したそうです。
今では鰻用ではなく、植物の施設園芸用に用いられております。



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