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カロリーについて勉強しよう
Let's study calorie
| ●空気質の制御にはたくさんのテーマがあります | 空気質の5要素 |
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温 度 |
| 湿 度 | |
| 気 流 | |
| 清浄度 | |
| におい |
| ●温度を左右するのは熱、熱量単位はJ(ジュール) | |||
| 空気の中でも管理したい要素として温度が圧倒的に重要なファクターになりますが、温度を左右するのは「熱」です。熱は一般的には温熱を指しますが、冷たくても熱は存在します(冷熱)。熱はエネルギーの移動形態の一つです。物体間で仕事を通じて移動する以外のエネルギーの移動形態を熱と言います。移動の形態としては「伝導」、「対流」、「輻射(放射)」があります。「熱」という形態を通して移動したエネルギーの量を「熱量」と言います。熱は必ず高温の物体から低温の物体へと移動します。ある物体(系)の温度を1K(ケルビン)上昇させるのに必要な熱量を熱容量といいます。熱量の単位は以前cal (カロリー)が使われていましたが、1999年10月以降、計量法の改訂により計量単位としてのcalの使用が禁止され、国際単位系の単位(すなわちSI単位)の J (ジュール)となりました。 | 熱の伝わり方(移動)には3つのパターンがあります![]() |
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| 伝導:粒子の衝突による | 対流:物質の移動による | 輻射(放射):電磁波による | |
| ヤカンに水を入れてガスコンロでお湯を沸かす場合の例 → | ガスコンロの炎の熱がヤカンの底を暖め、その熱がヤカンの金属部分を伝わる | ヤカンの金属部分から熱が中の水に伝わり、暖まった水が上に移動し、冷たい水が下に移動 | ガスコンロの炎の近くに立つと炎の熱で熱く感じる 太陽から地球は真空でも赤外線放射で伝熱 |
●カロリーには11種もあり、日本では熱力学カロリーを採用
熱量というのは英語ではheat capacityや、the quantity of heatと言います。この技術情報のテーマを「カロリーについて勉強しよう」としましたが、正確には「熱量について勉強しよう」と言うべきなのです。あえて「カロリー」としたのは、この言葉がいまだに世の中で広く使われ、熱量計を英語でcalorimeterと言いますが、日本語でもむしろ「カロリーメータ」の方が親しみ易いためです。ところがどっこい、「カロリー」というのはひと言では説明できません。熱量を表すには違いありませんが、11種類もの「カロリー」があるのです。その中からISOは国際蒸気表カロリー、熱力学カロリー、15度カロリーの3つを非推奨の単位としてですが挙げています。詳細はWikipediaを参照して下さい。日本では熱力学カロリーを採用し、熱量単位としてはSI単位のJ(ジュール)を使い、1cal=4.184Jです。熱化学カロリーや定義カロリーとも言われます。カロリーという単位は1888年に、英国で、「水1g の温度を1℃上げるのに必要な熱量」をサーム(therm)と名付け、1896年にカロリーと改称したそうです。11種類も「カロリー」があるのは、水の比熱が温度によって変るため、いろいろな状態の「カロリー」が出てくるのです。単位換算のホームページを利用したときに、単なるcal(カロリー)と指定すると、旧計量法カロリー(1cal=4.18605J)で換算する場合がありますのでご注意下さい。この場合にはcal th(熱化学カロリー、定義カロリー)と指定します。カロリーは栄養学でしか使用されないので、Cal(食品キロカロリー)を使えば熱力学カロリーで換算されます。
| ●栄養学のカロリーはkcal使用、今後は平均カロリーでJ(ジュール)表記へ移行する | |
| 熱力学ではなく栄養学においては、カロリーは生理的熱量(栄養学における熱量、エネルギー)を表す単位として用いられ、ほぼキロカロリー (kcal)が用いられます。日本の計量法では、栄養学に限定して「カロリー」という単位の使用が認められています。人もしくは動物が摂取する食物から得られる栄養学的熱量と、運動や基礎代謝によって消費される熱量について適用され、生物が生理的に代謝したエネルギー1カロリーは空気中での酸化反応(燃焼)によって発生した熱量1カロリーと等しいと定義されます。日本の計量法では熱力学カロリー1cal=4.184Jが使われていますが、今後は政策的にSI単位であるJ(ジュール)に置き換えられていく予定です。この場合の「カロリー」は11種類の「カロリー」の中で、平均カロリー(mean calorie)と呼ばれるもので、0℃から100℃まで上げるのに必要な熱量の1/100を指し、1cal=4.19002Jです(注:あくまで予定ですから、2010年5月現在は熱力学カロリーが使われています)。 | ![]() このご膳はヘルシー?カロリー表示するお店が増加 |
| ●水の熱量…麦茶を冷やすには? | 水の熱量(cal)=水の質量(g)×水の温度変化(℃) | |
| さて「水1g の温度を1℃変えるのに必要な熱量」が1calということを考えて見ましょう。本来はJ(ジュール)で表記しなければいけませんが、比熱が”1”の水の熱量を考えるときには、calが簡単なので・・・・ | ||
| 【例題1】 20℃、100gの水を加熱したら、水の温度が50℃になった。水が得た熱量は? | 温度変化は30(℃)、水の質量が100gだから、 水が得た熱量(cal)=100(g)×30(℃)=3000(cal)…12552(J) |
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| 【例題2】 80℃、200gのお湯をしばらく放置しておいたら、水温が60℃に下がった。水が失った熱量は? | 温度変化は−20(℃)、水の質量は200gだから、 水が失った熱量(cal)=200(g)×20(℃)=4000(cal)…16736(J) |
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![]() 麦茶に氷 |
熱い麦茶に氷を入れると、麦茶の温度は下がり、氷は融けます。麦茶の温熱が氷に移ったとも言えますし、氷の冷熱が麦茶に移ったとも言えます。熱い麦茶を冷やすのに容器ごと水につけたりするのも、麦茶の熱を水に移すためです。麦茶とまわりの水の温度が等しくなると、それ以上麦茶は冷えなくなります。熱平衡の状態です。しかし実際にはその時の水温は空気の温度よりは高いので、そのまま時間が経過すれば、水温は段々と下がって、空気の温度に近付いていきます。しかし、水で冷やすのと違って、空気に伝わる熱はゆっくり、ゆっくりと進行します。これは何故でしょうか?皆さん恐らくお分かりのように、比熱と熱伝導率が違うからです。 上では水の熱量について考えましたが、物質はそれぞれ比熱を持っていますから、それぞれの物質の熱量は、 熱量=比熱×質量(密度×体積)×温度差Δt となります。 |
| ●90℃のお湯だと火傷するのに、同じ温度のサウナでは何故火傷しないの? サウナは気持ち良いですね(^_^) サウナの温度は90℃ぐらいですが、サウナでは火傷しません。ところが90℃のお湯だとちょっと触っただけでも大変、すぐ水脹れが出来てしまいます。 また、人間の体温と同じ温度の空気は「暑い」と感じますが、同じ温度の水に首まで浸かっているとぬるいと感じます。気温10℃だと肌寒い程度ですが、水温10℃の水に浸かると冷たくて、そのままだと命にかかわります。 この違いは一体何なのでしょう?サウナの温度は空気の温度です。それに比べてお湯は水の温度、この両者の熱量の違いが関わっています。お湯は大量の熱エネルギーを身体に与えるので熱く、冷水は同じ温度の空気よりも大量の熱エネルギーを身体から奪うので、冷たく感じます。サウナでは、空気の熱容量・熱伝導率の低さと、汗の蒸発による気化熱のために、身体の表面温度が極端に上がるのを防いでくれるので、ある程度なら耐えることができます。空気は湿度によって比熱が変わりますが、およそ水の4分の1です。多湿空気になるほど水分を多く含んでいますから、比熱は大きくなり、熱容量が大きくなります。空調し難くなりますから、まず除湿するのが空調の基本になります。同じ1gでも空気と水では体積に雲泥の差が有り、熱量は水に比べてはるかに小さいのです。また空気は熱伝導率が低いので、身体の表面近くの空気が体温に近い温度になると外側の空気との熱の出入りを遮る効果(断熱効果)があります。 |
![]() 1リットルの水の温度を1℃変化させるためには1000カロリーの熱エネルギーが必要ですが、1リットルの空気の場合は1カロリーにも満たないわずかな熱エネルギーで充分です。身体との熱交換では逆に、水の熱量が大きいため熱い冷たいと感じます。余談…赤ちゃんの入浴適温は38〜39℃、大人は40〜42℃、年とるほど熱めを好む傾向あり。 |
| ●水の比熱は物質中最大、空気の熱伝導率は非常に小さい | ||||||||||||||||||||||||||||
| 水は大きな比熱を持っています。比熱とは1gあたりの物質の温度を1℃変えるのに必要な熱量のことで、すなわち水の比熱を1としているわけですが、これはあらゆる物質中で最も大きいのです。上の熱量の数式でお分かりのように、質量や体積が同じでも物質が違えば、熱量に差が出ます。たとえば、スチールと陶器の場合、スチールの方が早く温まります。つまり、比熱とは、物質1gあたりの熱容量ということになります。比熱が大きくなるほど、物質は温まりにくく、さめにくい性質を持っています。鉄の比熱は水のおよそ10分の1です。 物質内に温度差があると、温度の高い方から低い方へ熱移動が起こります。熱伝導率とはこの熱移動の起こりやすさを表す係数で、単位長さ(厚み)あたり1(K)の温度差があるとき、単位時間に単位面積を移動する熱量を表します。つまり、熱伝導率の値が大きいほど移動する熱量が大きく、熱が伝わり易いことになります。また、熱伝導率は物質に固有の値(物性値)で、一般的に温度によって変化します。 |
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熱伝導率[W/m・K]は、気体、液体、固体の順に大きくなります。10℃の水は0.582、0℃の鉄は83.5、銅はナント!403とものすごく大きく、更にダイヤモンドは1000〜2000、カーボンナノチューブに至っては3000〜5500です。これに対して0℃の乾燥空気は0.0241と極度に小さいことがわかります。
具体的な例で考えてみましょう。ここにひとつの閉め切った部屋があり、23〜25℃程度に空調されているとします。そこに、木材、ガラス、鉄を持ち込み、しばらく置いておきます。やがて、同じ温度になったあと、それらを順に触りますと、鉄やガラスは木材と比較して、はるかに冷たく感じるはずです。どうしてでしょうか?
熱伝導率を比較すると、鉄は83.5、ガラスは 0.55〜1.12、木材0.15〜0.25です。鉄の熱伝導率が極端に高いので、これに手を触れると、その触れた面から急速に鉄の方に熱が移動するので、冷たく感じるのです。それでは、ガラスはどうして冷たく感じるのでしょうか。ガラスの熱伝導率は木材同様低いほうですから、そんなに冷たくなくて良いはずです。これは、手との密着度の違いによります。ガラスの表面はツルツルです。つまり、手とガラスの間の密着度が非常に高いので、空気の入るスペースがないのです。空気は熱伝導率が、0.0241と非常に小さいので熱を伝えにくく、その空気がほとんど手とガラスの間に入らないので、冷たく感じるわけです。木材は表面がざらざらなので、手との接着面で空気が入りやすいので、冷たく感じないというわけです。
| ●空気の熱伝導率が小さいことを利用して断熱 | ![]() 日本板硝子のホームページより |
| 空気は熱伝導率が非常に小さいので、その特性を利用して断熱材に応用されます。それが複層ガラス窓です。これは、2枚のガラスの間に乾燥した空気を封入し、密閉した窓ガラスです。飛行機や、最近は一般家庭の窓にも採用されています。建物の窓が複層になっていると、夏場は外の暑さが室内に伝わり難く、冷房がよく効き涼しく過ごすことができます。冬場も、外の冷たい空気が室内に伝わり難いので、室内が暖かくても窓が結露しません。2枚のガラスの間には乾燥空気が入っているので、内側に結露することはありません。熱が伝わるのは、四方の枠からの「伝導」です。ガラスの間の隙間は12mm以下、これはこれ以上離れると「対流」が起きて伝熱が生じるからです。赤外線放射による伝熱はあります。 また、お魚屋さんで魚を買ったとき、発泡スチロールに氷をたくさんいれて、渡してくれる場合があります。これは発泡スチロールが空気泡だらけの構造による断熱材だからです。更に発泡ポリスチレンそのものが熱伝導率が0.03程度と低いので効果が出ます。発泡ウレタンは更に断熱性能が上です。 真空ガラスという高級ガラスは、ガラス間0.2mmを真空にして断熱効果を高めたもので、薄くてすみます。 |
●空気の熱交換は難しい
以上でお分かりのように、空気は比熱が小さいとは言え、質量が小さく、熱伝導率が低いので、空気を暖めたり冷やしたりするのははなはだ困難です。したがって空調と言うのは難しいのです。冷暖房するときには熱交換器に空気を当てて暖めたり冷やしたりします。熱交換器の中には、熱源機で作った熱媒を流します。空気調和機(通称:エアハン)の場合は、暖房時は温水、冷房時は冷水を流します。直膨式エアコンでは冷媒を用い、フロンが使えなくなってきたので、最近は炭化水素(ブタンやプロパンなど)やCO2を用いています。アンモニアや、より環境負荷を減らした新冷媒なども用いられています。
熱交換器での熱量は比熱×質量×温度差ですから、空気の風量が多くて温度差が大きければより多くの熱量を熱媒との間で交換できます。この性能を左右するのは熱交換器の構造です。空気がいかに良く熱交換器のフィン(羽根)に接触するかということです。空気が接触する表面積を大きくするために、フィンの枚数やピッチをどのように設計するか、です。あまり複雑な構造にしたり、ピッチを小さくすると、空気抵抗が大きくなって空気の流れが悪くなります。風量が減れば熱交換器の入出温度差は大きくなり、風通しが良いと熱交換が少ないので、温度差がとれません。したがって、空調する部屋の負荷に応じて、必要とされる空気量を確保しつつ交換熱量を最大にするための設計が求められます。より良い空調の設計ポイントは熱交換器の設計にある、と言って過言ではありません。熱量を上げようと、送風機の風量を高めたら温度差が取れなくなり、能力が足りないからと、熱源機の馬力をアップしても効果が無いというのは良くある話です。適切な熱交換が行われて、送り出した熱媒と還って来た熱媒との温度差が設計通りの大きな数値になっていれば、熱交換器も熱源機も性能を発揮していることになります。圧縮機を用いたヒートポンプの場合、定格能力に近い運転をしているときが効率が良く、能力を絞った運転をすると、霜付きなど諸問題が出ることがあります。
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空気調和機については、「技術情報」の「空気調和機の構造」をご覧下さい。
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冷凍サイクルについては、「技術情報」の「冷凍サイクルとは?」をご覧下さい。
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冷媒については、「技術情報」の「冷媒の変更」をご覧下さい。
恒温恒湿室の空調負荷計算に当たっては、空調ダクトや室内にあるすべてのモノが熱負荷となります。温度を変えた時の、温度差分の熱量を奪ってやらなければならないからです。モノの比熱、質量=密度×体積を考えますが、空気が当たり難い複雑な形状だったり、厚みの大きいものであれば、空気が当たる表面から内部への伝熱に時間がかかるため、なかなか空気温度が変らないといった問題が起きます。ヒートアップタイムやクールダウンタイムの要求があった場合には特に気を付けなければなりません。
●熱源機の空冷と水冷、その他
熱源機の熱媒の熱交換には空冷と水冷があります。水冷のほうがずっと効率が良いのは、比熱と熱伝導率から明らかですが、水を扱うには、冷却水配管の設置や、水のスケール(水垢)の問題等メンテナンス上で諸問題があるため、一般家庭などメンテナンスフリーが必要とされるところでは空冷が用いられます。ビルや工場など専門のメンテナンス要員がいるところでは水冷が用いられることが多いようです。割安な夜間電力を利用した氷蓄熱は、氷を融かすのに1グラム当たり80カロリーという大きな熱量(融解熱)を必要とすることを利用しています。
ついでですが、加湿器でパン型など電熱を利用したものは大変な電力を使いますが、水を蒸発させるには1グラム当たり536カロリーという、大きな熱量(蒸発熱)を必要とし、蒸発熱が大きいために熱を加えてもなかなか蒸発しません。実際、水は同程度の分子量をもつ液体の中では飛び抜けて高い沸点を持つ液体なのです。