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電力デマンド監視

Electric power demand monitor


 節電が求められる時代、企業では自分たちがどれだけ電気を使っているか?節電目標を設定して、これがピンチに陥った時、優先度を定めて電力消費を抑えて行く必要があります。は電気計装の会社ですから、消費電力を監視して警報を出すようなシステムは当然承ります。「デマンド監視装置」という、電気の使い過ぎをお知らせする装置があります。電力量計からデータを頂いて、監視装置(モニター)に接続します。


 電気料金について 


電力会社へ払う電気料金の仕組み

 電気料金は家庭用を「電灯料金」、企業等の大口電力を「電力料金」と呼びます。「電灯料金」は下記の計算式となります。


(東京電力のホームページより)

 一般的な家庭の「従量電灯B」の基本料金は契約アンペアによって変わります。また使用量が多くなるほど、3段階で単価が上がります。@120kWhまで、A300kWhまで、Bそれ以上という3段階です。例として東京電力のホームページを参照下さい。近年は燃料費が乱高下しますので、燃料費変動がプラスにせよマイナスにせよ調整額として含まれます。太陽光発電の余剰電力を電力会社が買い取る経費を「太陽光発電促進付加金」として電気料金に含んでいます。今はわずかな額ですが、現在の日本の政治情勢では、今後どんどん増えて行くかもしれません。家庭でもオール電化住宅やエコキュートなど、夜間電力と絡めて様々な料金プランがあります→クリック
 注) kWとkVA、kWhなど電力の単位について解説します
 電気に関するあれこれについては「技術情報」の「電気のあれこれ」をご覧下さい。また単位については、「技術情報」の「文字・単位表記」をご覧下さい。
 まずkWですが、KWとかKwのような表記は間違いです。kWはその装置の消費する本当のエネルギーで有効電力と呼ばれます。単に「電力」と言う場合は、この有効電力を指します。kVAはその装置にかかる電圧の実効値と電流の実効値を掛けたもので皮相電力と呼ばれています。これはいずれも「瞬時電力」です。実効値という言葉自体が難しいですが、直流の場合は100%有効電力になり、交流の場合はコイル等の誘導負荷とコンデンサ等の容量負荷によって電圧と電流の「位相」がズレるため、実際には消費されない無効電力が発生してしまいます。単位はvarです。実効値は実際に仕事をする交流の値で「直流の場合と同じ電力を発生する交流電圧の値」を表します。実は、家庭用電源の100(V)というのは実効値であり、実際の最大値は√2倍、すなわち約141.4(V)になっています。正弦波交流ですと、0V→141.4V→0V→−141.4V→0Vと繰り返しています。
正弦波交流
 正弦波交流が流れる回路において、電圧が E (V)、電流が I (A)、位相差θ(rad)の時の皮相電力 W・有効電力 P・無効電力 Qはそれぞれ、W=EI(VA)、P=EIcosθ(W)、Q=EIsin θ(Var)と、なります。右のベクトル図からもわかるように、抵抗だけの交流回路であれば、無効電力が発生しない=すべてが有効電力であり、電圧と電流は同相になり、cos 0°は「1」なのでP = EIcosθ= EI (W)になります。それに対して、抵抗が存在しないコンデンサやコイルだけの交流回路の場合は、電圧と電流の位相が90°ずれるので、cos 90°は「0」であることから P = EIcosθ= 0 (W) で、この回路で消費される有効な電力は存在しないということになります。交流回路において、位相差が小さくなれば、cos θ の値は大きくなるので力率は大きくなり、sin θ の値が小さくなるので無効率が小さくなります。

位相差θが生じたときの各電力
 皮相電力[kVA]から(有効)電力[kW]への換算は、有効電力=皮相電力*力率で、この力率は電流の位相と電圧の位相が完璧に一致している抵抗のような負荷の場合は1になります。逆に、コイルやコンデンサ成分のあるような負荷(モータなど)は位相がずれるためにこれより小さく(普通0.8くらい)なります。なぜこのような2通りの表現があるかというと、皮相電力が規定してあると電流絶対値が決まりますので、必要なブレーカの容量、電線の太さなどが決まります。電力だけだと決まりません。
 kWhは積算電力計もしくは電力量計という円盤がクルクル回っている計器で、瞬時電力を積算したものです。通常瞬時電力は変動しています。これが運動エネルギーとして円盤を回し、回転毎にパルスを発信して、これをカウンタで積算してkWhが出て来るのです。

電気料金契約

 法人の場合、 低圧電力高圧電力特別高圧電力という3種類の契約があります。低圧電力は、商店や工場などでモーター等の動力を使用し、契約電力が原則として50kW未満の場合です。高圧電力は、契約電力500kW以上(高圧電力と呼称)または500kW未満(高圧電力Aと呼称)で違います。特別高圧電力も業務用ビルや商業施設などのAと工場などのBに分かれます。その他、季節別、時間帯別電力契約など、様々な種類があります。
 の本社では、「従量電灯C」と「低圧電力」という2種の電気料金契約を結んでいます。「電灯」とは照明を主とした在来概念です。一般家庭では「従量電灯B」が多いのですが、6kVA以上の契約は「従量電灯C」になります。これを単相3線式で受電して分電盤につないでいます。単相3線式は、3本の電線のうち2本の線を使い分けて、100V、200Vの両方の電気機器を使える配線システムです。3本の電線のうち、接地線(アース線)と上または下の電圧線を利用すれば100V、接地線以外の上と下の電圧線を利用すれば200Vが使用できます。最近はオール電化住宅が増えて、ハイパワーのクッキングヒーターや電気温水器、蓄熱式電気床暖房、大型エアコンなどの200V機器を導入する事例を目にします。同じ仕事量であれば、100Vも200Vも消費する電力量は同じですから、配線機器や機器に流れる電流は1/2で済み、配線での損失は1/4になり(オームの法則で熱となる損失は電流の2乗×電気抵抗値ですから、電流が半分になれば損失は1/4になるのです)、省エネルギーとなります。
 低圧電力は、三相3線式200Vです。契約電力の決め方は、「主開閉器契約」と「負荷設備契約」があります。3本の線の電圧の位相が120°ずつずれています。”誘導電動機”を回すには最適な電源です。
 注)   エアコンを使用しない期間は、エアコン用のブレーカーを切っておきましょう。機器本体のスイッチを切っただけでは機能上少量の電気が流れるのが普通で、使用していなくても、電力量計には積算電力が出てしまいます(使用電力量が0kWhの月は、基本料金は半額ですが、使用電力量が1kWhでも出ると基本料金は全額負担です)。


 デマンド監視の重要性 


高圧電力ユーザが注意すべき点
 高圧電力以上の契約をしている法人の皆様、貴社の電気料金はどうやって決まっているかご存知ですか?契約電力は、「実量制」と言って、当月を含む過去1年間の各月の最大需要電力のうちで最も大きい値に、自動的になるのです!使用電力を30分毎に計量し、そのうち月間で最も大きい値を最大需要電力とします。一度上がってしまった基本料金は、1年間下がりません。したがって片時も目を離さず監視していないと、1年間高い電気料金を払わなければいけなくなるのです。この基本料金のことを「デマンド値」と言います。Demandというのは「必要量」とか「需要値」と訳されます。
  電気料金=基本料金(デマンド値)+電力量料金
であり、電力量料金は使用した電力量で決まりますから、努力すれば節約は可能です。しかし、基本料金は取り返しがつかないのです。したがって「電力デマンド監視」をして、30分間の電力がオーバーしないよう、予測しながら常に監視しておく機器が必要になります。


30分最大需要電力計

 高圧受電の法人には、電力会社が30分最大需要電力計(デマンド計)の組み込まれた電子式電力量計を取付けて、その電気の使用量を計測しています。30分最大需要電力計は、30分間(毎時ごとの0分〜30分、30分〜60分の30分間)の電気の使用量を計測し、平均使用電力(kW)を出します。そして1ヶ月(計量期間=あらかじめ決められた前月の計量日から、当月の計量日の前日までの1ヶ月間)の中で最大の値を記憶し表示するようになっています。つまり、30分間の電気の使用量から求めた平均使用電力が30分デマンド値です。そして、1ヶ月の中で最大の30分デマンド値がその月の最大需要電力(デマンド値)になります。

デマンドコントローラへのデータ入力

 高圧受電500kW以上の法人の場合、協議により契約電力が決められます。最大需要電力が契約電力を超えると、通常より割増の違約金を支払うことになります。また、最大需要電力(デマンド値)をもとに、新たに契約電力変更の協議が行なわれます。
 電力量計からデータを頂く方法ですが、電力量計=電力需給用メータ(取引メータ)の仕様をまず確認して下さい。高圧受電の法人の場合は電力量計にパルス出力端子が付いています。デマンドコントローラ等を設置し、電力会社の計量器からパルスの提供を受けることを希望の場合、書面(パルス提供申込書)による申し込みが必要です→東京電力の場合。申し込みが受け付けられますと、電力会社から工事日時の連絡が来ます。実際には電気保安協会の人が来て、電力量計のところにワイヤを結んでくれます(無料です)。このワイヤにパルストランスを付けて、デマンドモニタやコントローラ等にデータを送ります。


電力量計にパルスCT取り付け

予測警報の発生・解除

 デマンドモニタ・コントローラには目標電力値を設定し、その95%値を注意警報レベルとし、これを超えると予測すると警報を発しブザーが鳴ったりします。30分間(毎時ごとの0分〜30分、30分〜60分の30分間)の電気の使用量を積算し、積算勾配から、右図のように微分値が大きくなって、予測デマンドが目標デマンドを越えた場合に警報を発生します。その後微分値が小さくなって、予測デマンドが目標デマンドを下回った場合に警報を解除します。
 このように30分毎に鋸刃のような形で常に30分間の平均電力量が目標デマンドを越えないように計算して警報を出しています。沢山のバッチ式の機械があって、その運転・停止や動作・非動作が頻発するような工場などでは、この微分式予測アルゴリズムでは警報発生・解除が頻繁に起きます。過去データに照らした、経験値による予測モデルや、ベテランの管理者による判断が求められると思われます。


電力デマンドも各種ステップあり

 電力デマンドも「監視」して警報を出し、管理者にアクションを求めるデマンド・モニタから、問答無用で機器の電源を切るデマンド・コントローラまで、各種あります。たとえば関東電気保安協会の「デマンド監視サービス」のページをご覧下さい。監視サービスだけでも「ライトプラン」、「シンプルプラン」、「スタンダードプラン」、「スーペリアプラン」と4種あります。
 デマンド・コントローラは、30分間の使用電力量を予測し、設定した値(管理デマンド値)を超過する前に警報を出力します。さらに設定の優先レベル毎に電力使用機器をオフすることができます。警報はパソコンの画面および音源で通知するほか、パトカーのような回転警告灯を表示したりできます。配線が面倒だ、という場合は、兄弟会社の無線伝送装置もお勧めします。またコンピュータ画面で監視するためのパッケージソフトもあります。

 計器そのものは各メーカー(例:三菱電機梶A富士電機梶A鞄月ナ、大崎電気工業鞄凵jのものを使いますが、乱暴に言えば、1系統工事費、調整費を含めて30数万円かかります。工事は場所によって若干変わります。パソコンやソフトの金額は含んでおりません。メーカー指定がある場合はご相談下さい。
 例えば三菱電機鰍フ「デマコン」(右図)はパルス検出用CTで取引用計器(電力量計)から直接信号を取り出しますから、パルス検出回路が不要です→クリック


電力デマンドならご用命下さい

 冒頭記載のように、は電気計装の会社ですから、電力デマンドに関してもいかようにも承ります。現状把握と提案、機器の選定などのご相談に応じます。弊社は監視機器は製造しておりません。機器調達、電力会社との交渉、設置工事、電気工事、動作確認、ソフトウェアまで、一通り承ります。例えば上図の三菱電機のシステムを導入した最近の事例では、単にデマンドのみならず、エコサーバーU(商品名)を導入して、設備管理からネットワーク接続、パッケージソフトまで請け負い施工いたしました。

               
-15% 要求仕様と提案 見積り 契約 施工 評価


 低圧電力でも節電したい 

電力デマンドモニタの自主設置

 は電気計装の会社ではありますが電気はあまり使いません。上記のように、本社では、「従量電灯C」と「低圧電力」という2種の電気料金契約を結んでいます。これらは
  「従量電灯C」・・・単相3線式
  「低圧電力」・・・三相3線式200V エアコンのみ。領収書には力率90%と記載あり
 契約電力の決め方は、いずれも「負荷設備契約」と「主開閉器契約」があります。建物新築=契約時より14年経過しており、この間エアコンの室外機も1台交換したり、使用機器も変わったりしていますので、契約を見直すことも検討します。


建物外壁に誘導式電力量計が2台、右上に電線、ゴーヤと朝顔のグリーンカーテンも

 元々ISO14001の目標として「電力使用量の削減」を掲げて計画を順調に達成して来ましたが、2011年になっていきなり15%削減が求められ、社内に委員会を設け、対策しました。基本は「我慢」ですが、レイアウト変更や給湯器停止、複合機削減などの重点志向で対策しました。この結果、6/10〜7/11/7/12〜8/9の期間では、100Vが前年比81.9%/82%、200Vが前年比79.39%/62%、合計で前年比80.72%/69.65%となりました。高圧電力ユーザではないので、電力デマンド監視が必須ではありませんが、電力使用を「見える化」して、節電に努めること、並びにデマンドデータから電気契約を見直して経費節減するデータ把握のため自ら設備しました。


左が三相3線、右が単相3線の誘導式電力量計、これらにはパルス出力無し
 
建物内部の分電盤にそれぞれのパルス出力付き電力量計を追加

高圧受電の法人には、デマンド計の組み込まれた電子式電力量計が取り付けられていますから、パルス出力端子が付いています。しかし我社は低圧契約ですからそれがありません。そこで、1階の分電盤の中にデジタル表示付き電力量計を追加しました。ここから2階デマンド・モニターに配線し、パトライトを付けます。節電せよというときに点灯します。

デマンドモニタ(コントローラ)への接続

 下の写真は、三菱電機のデマンドモニタ(コントローラ)のセットです。この中で「検出CT」と「リード線」は、高圧受電の電力量計の場合に使います。我社は低圧契約ですから、右上写真屋内型普通電力量計から、単相3線、三相3線それぞれにパルスが出力されますから、「検出CT」と「リード線」は使いません。



デマンドモニタ(コントローラ)への接続

 の戸田本社2階の壁に、デマンドモニタ(コントローラ)を設置しました。上が単相3線、下が三相3線用です。1階の分電盤の中に追加したデジタル表示付き電力量計から、2階デマンド・モニターに、天井裏からダクトを通して、社員が配線しました。
 少し高い位置に設置されているため、液晶表示が見易いように、やや斜めに設置しました(右写真)。なお、目標電力量に近い値になると、アラームブザーが鳴ります。



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