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空気調和

Air conditioning


 空調は三基計装株式会社の拠り所です。空気調和、英語で言えばAir conditioning、これを一言で言いますと、人間にとって快適であったり、作業や原料、加工、製品に適当なように、温度・湿度・気流・空気清浄度・室内物品の放射、伝導などの室内環境を調整することです。空気調和の歴史はもうずっと古い昔に遡ります。進歩の速い自動制御の世界ですが、空気調和だけはいまだに50年前の教科書が通用します。

◆ビル管法での定義
 空気調和は狭義では人が快適に活動できる室内環境をつくることであり、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称建築物衛生法またの名をビル管法)では、次のような基準が定められています。

浮遊粉塵量 1m3 につき 0.15mg 以下
一酸化炭素濃度 10ppm 以下
二酸化炭素濃度 1000ppm 以下

温   度

17〜28℃(冷房時の居室においては外気との温度差を7℃以下とすることが望ましい)
相対湿度 40〜70%RH
気   流 0.5m/s 以下
ホルムアルデヒド量 1m3 につき 0.1mg 以下

二酸化炭素濃度1000ppm 以下というのは、通常のオフィスビルではここまでの数値にはなりません。外気は緑の多い田舎の3百ppmぐらいから、市街地の6百ppmぐらいまであり、多数継続在室する場合の許容濃度は7百ppmとされています。5千ppm以下では、「CO2そのものの有害限度ではなく、空気の物理的、化学的性状がCO2の増加に比例して悪化すると仮定したときの汚染の指標としての許容濃度を意味する」と言われています。CO2の5千ppmは長期安全限界と言われており、これを超えるようだと、健康影響が出てきます。したがって二酸化炭素濃度が増えれば換気しなければなりませんが、通常のビルでは適度に空気を入れ換えるような管理をしています。
◆換気の必要性
 ビルの換気の必要性については、建築基準法と通称「建築衛生法」で定められています。これが2003年7月の建築基準法改正で、それ以降の新築物件についてはより強化されました。「一人当り20m3/h以上の換気量」と「0.3回/h以上0.7回/h以下」の両方を満たす換気設備の設置が義務付けられました。建設業界では、目安として"2時間で1回転の換気"と言われております。しかもこの基準は住宅に対しても適用されることになりました。したがって従来はビルに使われてきた全熱交換器が、今では高気密高断熱の住宅にも設置されるようになりました。これによって空調負荷が低減され、省エネの地球に優しい建物が増えています。
◆産業空調
 産業空気調和では上記の「狭義の空調」を超えて様々な分野が出てきます。これは対象が人間から、原材料や機械設備に拡がるからです。産業空調とは、工場などにおいて作業者が安全に活動でき、製品の製造・生産過程に適合する室内環境を確保することであり、場合によっては作業者を排除して無人環境での空調となって、温湿度範囲も上記の基準とかけ離れた値となることもあります。Wikipediaによりますと産業空調の歴史としては、20世紀初頭にアメリカの印刷工場の湿度制御から始まったとされております。その後農産物の貯蔵・輸送のコールドチェーン、半導体素子製造用などのクリーンルーム植物製造工場などに応用分野が拡がって行きました。三基計装株式会社の主要業務はまさに空気調和の歴史そのものと言えるでしょう。

◆空気調和機(AHU)
 それでは空気調和の基本ユニットである空気調和機(Air Handling Unit;略称してAHUと言う)について勉強してみましょう。図1はセントラル空調(空気調和の素である冷熱源(冷水・ブライン)と加熱源(温水や蒸気)を熱源設備で集中的に作り出し、個別の空気調和機に送って空調する方式)における空気調和機の構成を示したものです。

空気調和機は一般に空気調和(Air conditioning)のために必要な機器を箱の中に納めて配管、配線したユニットです。一般的にはAir conditionerすなわちエアコンと俗称されます。これに対してAir Handling Unit;略称AHUは、冷温水コイル、加湿器、ドレンパン、送風機、エアフィルタを一体に組み込んだ比較的大容量の空気調和機のことを言います。乱暴に言えばAir conditionerは大量生産された規格品で、Air Handling Unitは要求される条件にあわせて各機器を組み合わせて製作する受注生産品で、厳密な温湿度を要求される空調に用いられます。したがって前者は誰もが知っている大手電気機器メーカーの製品で、後者は専業メーカーの製品であるということも言えます。

 

 

◆セントラル空調方式
 大規模ビジネスビル空調や大きな工場の空調ではセントラル空調方式が用いられます。これは空調がほぼ一斉に行われるために熱源機で集中的に冷熱、温熱を作り出したほうが効率が良いからです。外気(OA=Outlet Air)は先ずプレフィルタ〜中性能フィルタでろ過され、冷たい冷却コイルの表面を通過するときに冷やされます。露天温度に達した空気は冷却コイル(C/C=Cooling Coil)表面に結露し、これが結露水(ドレイン)となってポタポタと滴り落ちて排水されます。空気中から水分が取り除かれるので『除湿』されるのです。家庭のエアコンや夏の電車が「おしっこ」しているのはこのドレイン水です。冷却コイルを通過した空気は次に今度は暖かい加熱コイル(H/C=Heating Coil)を通過します。ここで過度に冷やされた空気が所定の温度に温められます。次に空気は加湿器を通過して蒸気が加えられ、除湿されて乾いた空気が適度に加湿されて所定の湿度に調湿されます。この空気が送風機を通して給気(SA=Send Air)として室内に送り込まれます。室内空気は室内負荷により状態が変動します。汚染され、温湿度状態が変化した空気は一部が外気へ排気(EA=Exhaust Air)され、一部は還気(RA=Return Air)として再び空気調和機(AHU)へ戻ってきます。SAをすべてEAとしてしまう方式を”オールフレッシュ方式”と言いますが、この方式ではAHUの能力が膨大なものとなります。せっかく空調した空気ですから、再び清浄化して温湿度を再調整したほうが省エネルギーになるのは当然です。

◆セントラル空調を構成する3設備
 なおセントラル空調方式では設備が三つに大分されます。@熱源設備A搬送設備B空調設備です。AHUはBに属するものですが、Aはポンプやファン(ブロワ)などです。電力需要平準化のために深夜電力を利用して@を動かして氷蓄熱槽や温水槽に熱を作っておき、昼間はA、Bだけ動かすという方式が「蓄熱式空調」です。

 

◆分散型空調方式
 セントラル空調方式に対峙するのは分散型空調方式です。ビルではよく「ビルマルチ」という名前を聞きますが、例えばマンションを例にとりますとその空調需要はバラバラです。こういう場合には熱源と空調が一体となった方式のほうが効率が良いのです。
◆空調の快適性の評価
 空調快適性の指数はPMVです。デンマーク工科大学のファンガー(P.0.Fanger)教授が、1967年に快適方程式の導出を発表し、これを出発点として人体の熱負荷と人間の温冷感を結びつけた温熱環境評価指数PMV(Predicted Mean Vote=予測温冷感申告)およびPPD(Predicted Percentage  of Dissatisfied=予測不快者率(その温熱環境に不満足・不快さを感じる人の割合)) の提案をしました。人体の熱的快適感に影響する要素は6つあり、室温、平均放射温度、相対湿度、平均風速の4つの物理的要素と2つの人間側の要素である在室者の着衣量と作業量が関係します。これらの要素に関して、その複合効果をどのように評価するかについての理論です。快適方程式に、この6つの要素を代入しますと、人間がその時暖かいと感じるか、寒いと感じるかを「7段階評価尺度による数値」で表したものが出てきます。PPDは、人間がある暑い寒いの状態の時に何%の人がその環境に不満足かを表すのに用いられます。なお、この指標は、オフィスなど通常人が居住する比較的快適温度範囲に近い温熱環境を評価するのに適しています。PMVが-2から+2の範囲内の温熱環境評価に用いるのがよいとされています。PMVセンサというものも市販されています。
◆快適で省エネの空調の実現
 ビル住人の業務効率を上げるには快適な空調が求められます。これは空気質5要素の制御です。単なる温度や湿度だけでなく、気流や空気清浄度、汚染の除去も含まれます。ただし北海道の住宅が二重窓になっていることでわかるように、空気はもともと断熱性があります。熱が伝わりにくい空気(主として窒素と酸素)の温度を変えるということは、強烈なエネルギーをかけて無理やり行うということです。空気に伝熱させるためには、空気の流量×温度差で熱量が決まりますから、熱交換器の入口と出口の温度差が大きければそれだけ熱交換したことになります。空気の風量を多くすると、熱交換が少ないまま空気が通り過ぎます。したがって空調のポイントは熱交換器です。空気を如何に熱交換用のフィンに大きな面積で触れさせてやるかで勝負が決まります。熱伝導率の小さい空気に伝熱させるため、常に空気調和は省エネを対極として考慮しなければなりません。ここで注目すべきは空気中の水分です。水は導電性があり、伝熱性もあります。したがって夏場は湿度が高いと肌に水分がまとわりつくため、表面からの汗が気化しにくく、したがって気化熱で放熱し難いため不快に感じます。湿度を下げてやると気温が高くても気化熱で放熱されて涼しく感じます。政府から求められる28℃も、湿度を50%未満にすれば耐えられます。ましてや40%にすれば29℃でもなんとかなります。逆に冬場は湿度が高いと、肌に水分がまとわりつくことが逆に保温効果をもたらして快適に感じます。湿度が高ければ喉をやられませんし、室温が低くても耐えられます。またインフルエンザウイルスが増殖できず、静電気発生も抑えられます。
 空気調和と言えば空気の温度を変えることと思われがちですが、上記のように、湿度を制御するほうがエネルギーを要しないのです。例えば夏場は、除湿するのに空気調和機で行うよりも、その前段で外気を除湿してしまってから各階空調機に乾いた空気を送るほうが格段に省エネです。最近のビルではデシカント空調機や外調機を設置するところが増えてきたのはこのためです。熱源機の低温のブラインで外気の1次除湿をしてドレイン水を取ってしまえば、AHUの冷水をどんどん回す必要性が減り、トータルで省エネになります。
◆クリーンルームの空調
 さて、クリーンルームのように既存の建物の中に部屋を作るときの空気調和はどうするのでしょうか。熱源機から冷温水を頂く方法もあります。しかしながら熱源は建物構造熱計算により構築されますので、後からその冷温水を頂こうとしても余裕が無いのが普通です。そこで冷却水としてはヒートポンプチラーから頂いたり冷却塔(Cooling Tower)を設置して循環させます。もうひとつの方法は図2のように直膨式空調機を用いる方法で、これが一般的に採用されております。室内機と室外機の間は冷媒が流れます。室内機のE/HはElectric Heaterすなわち電気ヒータによる加熱です。HMとは加湿器(Humidifier)です。加湿器は「産業用加湿器」のページで解説しましたが、もう一度同じ説明をいたします。加湿器は冷却除湿した空気を加熱制御して温調した空気に対して加湿するものですから、送風機で空気を引っ張る最終段に配置します。なおかつ蒸気が空気中に混じり込むためにはある程度の距離が必要ですから、無駄なように見えても加湿器の後段には空間が必要です。空気清浄化のためにHEPAフィルタを付ける必要があるときなどは、十分な距離をとらないと水滴がHEPAフィルタの濾材に結露して、まるで気化式加湿器が後段にあるような形となり、圧損により思った量の空気が流れないなどという事態になりますので、加湿器の配置や空間設計は大変重要な要素となります。図2で申しますと、ROOMの天井にHEPAフィルタを設置するのが一般的です。

三基計装株式会社における空気調和機の組立風景

◆AHUを構成する機器の配置
 以上のようにAHUというのはフィルタ、冷却器、加熱器、加湿器と配置して送風機で空気を引っ張りSAにするというのが基本構成です。送風機を前段に置いて空気を押し込むという方法も考えられますが、「押し込む」のと「引っ張る」のでは送風機の後の抵抗が異なりますので、安定した風量を維持するためには「引っ張り」空気を室内へ送り込むほうが安定します。また例えば加湿器を前段に置きますと、湿潤空気を冷却除湿して加熱しますので温度は安定しても、湿度は加湿〜除湿のせめぎあいになりますので、加湿器がバンバン加湿して冷却器がバンバン除湿するという結果になり省エネ上はなはだ不都合になる場合が多いだけでなく、湿度制御が不安定になりがちです。

◆熱回収で省エネ
 いずれにせよ、過度に冷却・除湿した後で加熱・加湿する方式は、精度を求める場合には簡便な方法ですが、エネルギー多消費型の方式です。昨今叫ばれている省エネの観点から、できるだけ加熱/冷却、加湿/除湿の一方だけで制御するのが理想です。手っ取り速い方式は熱交換器を設置して、捨てる空気の排熱を回収してOA、RAに加えてから空調するという「熱回収方式」の採用です。これ以上詳しいことは、商談の中で説明申し上げます(~_~) また本稿では空気調和機(AHU)の構造について記しましたが、空気調和を設計するときは湿り空気線図をにらみ、それぞれの場所における空気の状態(温度、湿度)を想定しながら各コンポーネントの能力を決め最適機器選定しますが、その方法については省略しました。これはノウハウだからです。


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