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ISO22000とHACCP


以下に記載する内容はHACCP実践研究会におけるセミナーから把握したもので、必ずしも正確性を保証するものではありません

また内容は2005年4月21日現在です。すでに発効しておりますので、最新情報は関係ホームページをご覧下さい。

 ISO22000とは?

 品質マネジメントシステム(QMS)ISO9000シリーズ(以下”シリーズ”を省略)や環境マネジメントシステム(EMS)ISO14000シリーズ(同)と同様に食品安全マネジメントシステム(FSMS)としてISO22000シリーズ(同)がいよいよ実施段階に近付きました(2005年4月現在)。ISO22000はISO9000やISO14000シリーズと重複して認証取得が可能です。ISO22000にはRISKという言葉が出てきませんが、実際にはリスクマネジメントシステム(RMS)です。この認証を取得しなければビジネスに差し支えるか?と申しますとその辺は微妙です。すでにHACCPを実施していて、ISO9000やISO14000を取得しているならばISO22000までは不要との考えもあります。現在ISO22000に最も熱心なのはヨーロッパの流通企業です。

 ISO9001は品質マネジメントシステムの継続的改善の追求を組織に求めますが、食品・飲料産業のマネジメントにはこの側面がしばしば欠けていると言われております。HACCPでは経営トップの関与や責任が不明確ですし、そもそも製造工程のみの規格であり、製造以外の組織との関係がハッキリしません。また流通における対応も不明確です。したがってHACCP+ISO9001ならば効果的運用が図れます。

 ISO22000でHACCPは不要になる?

 よく、ISO22000は農林水産省、HACCPは厚生労働省というように言われますがこれは誤りです。HACCPも両省ともに推進していますし、ISO22000は両省のほか経済産業省もオブザーバー参加しています。

 1993年にCODEX委員会が「食品衛生の一般的原則に関する規則」の付属書としてHACCPの原則をガイドラインとして作成しました。ISO22000はこれをISO化するものと言えます。第三者認証だけがISOのすべてではなく、この国際規格への適合性を自己査定若しくは自己宣言できることが盛り込まれています。HACCPはHazard Analysisですから危害を想定してそれが起こらないようなCritical Control Pointを定めます。そしてControlすなわち制御・管理するわけですからここにはデータが必要になります。HACCPの前提はあくまでHazardであってRiskではありません。ISO22000はリスクマネジメントシステムである点において異なる面があります。そしてこの規格は前提条件プログラム(Prerequisite program:PRP)を前提としつつ、オペレーションPRP(oPRP)とHACCPで管理されるという二本足の構造となっています。したがってHACCPはISO22000を構成する1要素であって、HACCP+ISO9001で運用するも良し、ISO22000の認証を取得して運用するも良しということであり、少なくともHACCPが運用できるのであればISO22000の素地が出来ていることになります。あるところで「HACCPなんかやめてISO22000を取得しましょうよ」と勧めに来た認証機関の営業マンがいたと聞きましたが、以上からこれはとんでもない誤りということがわかります。

 ISO22000の主な内容

対象:飼料生産者、一次生産者から食品製造業者、輸送および保管業者ならびに下請負業者、小売業者、食品サービス販売店、機器、包装材料、洗浄剤、添加物および材料の生産者など、相互関係にある組織まで及ぶ

規定:(1)相互コミュニケーション、(2)システムマネジメント、(3)HACCPの原則、(4)前提条件プログラム(Prerequisite program:PRP)のような、広く認められた主要素を組み合わせた食品安全マネジメントに関する要求事項

用語:PRPはフードチェーン全体の衛生環境を維持するために必要な基本条件および活動のことです。oPRPは食品安全ハザードの製品または加工環境における汚染または増殖の可能性を管理するために不可欠なものとして、ハザード分析によって明らかにされるPRPのことです。重要管理点(CCP)とは制御が適用でき、かつ食品安全ハザードを予防するか、またはそれを許容水準まで低減するために不可欠な工程のことです。

文書化した食品安全方針および目標の表明を規定

経営者の責任:食品安全方針の明確化、責任および権限の明確化、食品安全チームリーダーの指名、外部および内部とのコミュニケーション、緊急事態に対する備えおよび対応、定期的マネジメントレビューの実施を規定

資源の運用管理:トップマネジメントによる人的資源、インフラストラクチャ、作業環境の供給を規定

安全な製品の計画および実現:準備段階からHACCP計画の作成とその運用を規定。ハザード分析に基いてHACCP計画とoPRPで管理するハザードを分類し、両者を組み合わせて食品安全マネジメントシステムを構築する。

食品安全マネジメントシステムの妥当性確認、検証および改善

 oPRPとCCPのいずれで管理するのか

 oPRPとHACCPがどう違うかを理解するためにBSEの事例を挙げてみましょう。BSE感染牛が食品流通経路に入り込むリスクを排除するための手段として

oPRPの場合:BSEプリオンが99%以上特定の部位(SRM)に集中するとされており、その「SRMを除去することによりBSEプリオンのほとんどを食品流通経路から排除する」という方式

HACCPの場合:BSE検査の実施(計測)により、確認されたBSE感染牛を「食品流通経路から排除する」という方式

すなわち現在日本で行われている全頭検査はHACCP、欧米で行われているSRM除去はoPRPということです。

oPRPで管理するか、HACCPで管理するかは不適合品に対する迅速な対応を可能とするCCPが選定できるか否かによるわけです。CCPは温度、時間、金属探知器などの連続測定項目だけでなく、ラベル表示の確認やバンドソーの刃の欠損確認など○か×かで確認できるものでも良いとされています。CCPにできないものは農業用水の品質や堆肥の品質のように、不適合が起きても確認に時間がかかるものや対策が適時にできないものなどです。HACCPの場合は不適合発生から対策までが短く、影響範囲の拡がりも小さくて済む場合が多いのですが、oPRPの場合は広範囲な是正のリスクを抱えています。しかしながらすべてHACCPで管理できるものでもないためにISO22000ではoPRPを許容していると言えます。

 システム認証と製品認証

 ISO22000は能力を認証するものであって、製品を認証するものではないためマークはつけられません。CEマーキングやJASと異なるのがこの部分で、ISO9000でも会社案内や名刺にマークが載っていることはあっても製品にはついていないのと同じです。

 規格の発効

ISO/TS22003:認証のための指針であり、豪、米、カナダ、スイス、仏が原案を作成中。日本も作業メンバーの一員として参画しており、6月1日発行の予定です。これを厳しくすると審査員が集まらない、甘いと食品そのものやHACCP、微生物、製造工程に詳しくない人が審査員となる恐れがあるため慎重に討議されています。

ISO/TS22004:ISO22000使用のための指針であり日仏共同で原案作成中。9月1日ISO22000と同時に発行の予定。

 適合性評価

 例えばISO9000はTC176で審議され、ISO14000はTC207ですが、ISO22000はTC34で適合性評価規格が定められます。審査登録(認証)機関は随時現れると思われますが、それを認定する認定機関(ISO/IEC17011に基く)がその上にあります。また別途ISO17024に基く審査員評価機関というものもあります。ISO22000の認定機関はまだ決まっておりません。しかしながら一部の審査登録機関はすでにISO22000の審査に対応すると表明しています。

 これら各機関については現在(財)日本適合性認定協会(JAB)において検討が進められています。

 日本ではTC34委員会のPメンバー(Participating member:投票権あり、会議出席義務あり)として独立行政法人農林水産消費技術センター(本部:埼玉新都心)というJASを取り扱っている組織が審議団体となっており、ここが中心になると思われます。

(2005年4月21日作成)


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